憲法「表現の自由」や「異議あり」への安倍自民党の本音、「自由と生存のメーデー07――プレカリアートの反攻」デモ警備を見ればよく分かる。
プレカリアートデモとブログの威力、そして見守ることの大事さ&瑞穂さんに猫語⇔人語オリジナルTシャツを渡してきたヨ。(笑) (最初に書いた表題です。なるべく大勢の人に読んでほしいのと、その後解散地点での機動隊指揮車スピッツ・キャンキャン指示の録音をアップしたので変えました。)
去年の「自由と生存のメーデー06」で知った、 「プレカリアート」。
※新自由主義政策が強められる中、収入や就労のみならず生活条件全般に不安定さを強いられている人々が、寄る辺なき自らを示す言葉としてプレカリアートを発見した。2003年、イタリアの街路に落書きとして現われ、ユーロメーデーの中で広く使われるようになった。precario(不安定な)と Proletariato(プロレタリアート)をあわせた造語と思われる。辞書にはまだのってません。
「プレカリアートって知ってますか?」文中にもあるように、去年のプレカリアート・メーデーデモへの公安警察の弾圧はひどいものでした。
速攻で、のバナーを作成し、ココログでも「プレカリアートって知ってますか?」のエントリーを書いた。しかし驚いたことに、去年のその時点の阿修羅では、政治板でさえ誰も話題にしていなかった。(参考:「弔い合戦だ。さまざまな人々の思いが僕に乗り移ったのかも知れない。」)
2003年イタリアに誕生し、翌年早くも日本に伝播してきた「プレカリアート」、その2年後の2006年にこの言葉が一挙に広まることになり、そして「自由と生存のメーデー07──プレカリアートの反攻」昨日のデモです。
僕も、デモを見守るために今年は新宿まで出かけました。歌舞伎町近くのわき道に設置されていたテーブル&チェアに座って待ったのが1時40分ころでした。2時出発のはずなのに、3時半ころになっても来ないということで一時はコースが変えられてしまったのかと思いました。しかし、仰々しいくらいの警察官の沿道警備が続いています。間違いなく来るだろうと読んでいたら、街の喧騒に混じってシュピレヒコールの声が最初は小さく、そしてあっという間に大きくという感じで一気に近づいて聞こえてきました。
あわてて広い通りを渡りデモ隊列の横に駆けつけました。思い思いのプラカードを持つ人、中には「犬対猫」とか「恋愛至上資本主義反対」とかなんだかよく分からないのも、。(笑)圧倒的に若い人が多かったですが、車椅子の人もいましたし、見るからに日雇い労働者風のおじさんもいました。
普段のYou Tubeと違ってひどいコマ切れ状態です。良かったのは最初にアップしたときだけでした。ID管理でネット妨害でもしているのか?資本と権力がいかにこの「自由と生存のメーデー07──プレカリアートの反攻」に代表される動きを脅威と感じているか、その象徴かもしれません。この妨害は、。
You Tubeに直接飛んで見たほうがいいかもしれません。リンクも書いておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=ebbEXlWBJXA
このYou Tubeの映像ではなく、僕が見ていた例ですが、沿道で見ていたジーパン姿の欧米系アベックがデモに飛び入りする姿も、。それを最後尾についていた警察官が「入らないように」と説得する姿と、それにもかかわらず「いいの参加したいの」という金髪の女性。(離れていたので実際聞いたのではないですが、情景の流れからそんな感じでした)
新聞の報道ではスタート時300名のデモ参加者が、最後には420名と書いていました。確かに靖国通りの歌舞伎町前に来たときにはそのくらいの人数でしたが、歌舞伎町の前を過ぎ、靖国通りを左折して明治通りを進行するときには優に倍の人数になっていた感じです。
沿道はこれまたたくさんの報道陣らしき男たちと、明らかに私服風の男たちが伴走ならぬ伴歩しています。また、それ以外のデモを見守るべく歩道を伴歩するかなりの数の人がいました。60代の年配の女性がキャリアを転がしながらデモに寄り添うようにして歩道を歩いていたのが印象的でした。靖国通り、明治どおり、大久保通りと行ったので間違いないでしょう。
以前、60年安保で機動隊に殺された樺美智子さんについて書いている一文を読んだことがあります。安倍の祖父・岸の強権政治に殺されたも同然のあの樺美智子さんです。
その中で印象に残った言葉で、「力のない市民でもできることがある。現場に立会い、目撃し、それを語り、人に伝えることだ」というような内容です。
キャリアを転がしながらデモに寄り添うようにして歩道を歩いていた年配の女性もそういう一人になることができるのでしょう。
2006プレカリアートデモへの狂犬的(あるいは強権的(笑))な機動隊の弾圧は、多くの人々の怒りを呼び起こしました。のバナーを作成するきっかけにもなりましたし、表現の自由との関連で共謀罪とのつながり、また窮状にあえぐ若年労働者たちとつながることの重要性にも気がつかせてくれました。まさに世の中に無駄なことはなにもないと言うことです。後のほうでご紹介する、呼びかけの下記部分もいいですね。日共のようないわゆる今までの左翼でもない、かといって革マル・中核と言ったような旧新左翼でもない新しい感性の若者たちが登場して来たようです。
〈運営上の確認〉 政治的立場の違いを暴力によって「解決」することを実践し、その行為と思想を正当化し続ける人びとの参加はおことわりします。
去年のまるで何かにおびえるかのような公安警察の露骨な弾圧は今年はなかったようです。去年の間髪を入れないブログをはじめとしたネット言論での糾弾が、今年のデモについて、権力に対するけん制となったのは間違いないでしょう。そして、「キャリアを転がしながらデモに寄り添うようにして歩道を歩いていた年配の女性」と同様、多くの市民が寄り添うようにして見守り一緒に歩いたこともその一助となったはずです。デジカメもICレコーダーもまとめてポケットに入るほどの大きさで、権力の横暴を記録する手段にはこと欠きません。音も写真もネットで流すのもそれこそ簡単ですしネ、。(笑)
(クリックすると拡大します)
そうそう、忘れてました。表題のTシャツの件です。デモの先頭に近いところでZAKIさんと並んで福島瑞穂社民党党首が歩いていました。手を振ったら、去年のことを覚えてらしたようで「あっ」という感じで笑顔を返してくれました。猫語⇔人語対照表Tシャツをお渡ししておきました。
※なお、当日猫語⇔人語対照表Tシャツをペアで持参しました。猫語を話しているようなカップルがいたら渡そうと考えていたのですけれどね、。(笑)
(クリックすると拡大します)
なお、デモが来る1時間以上も前、警察官が通行人の若者を職質しザックの中身を開けて調べていた。以前にも書いたように、こんなことを警察官がする権限など警職法上でも一切ありません。
また、当日解散地点での機動隊指揮車のスピッツ・キャンキャン指示を録音でご紹介しておきます。現在の憲法の状況がよく表れていると思います。石原慎太郎の個人的趣味・わがままな大迷惑マラソンは7時間の交通規制、昨日の解散地点のデモ隊が反対側に渡る所要時間はほんの7分。まるでスピッツが吠えるような機動隊指揮車の指示は漫画でした。(笑)表現の自由についての憲法も、また役人の憲法遵守・擁護義務も知らない警官が職務を遂行しているとはまったくのお笑いです。これが、解散地点の大久保地域センター前、機動隊指揮車のまるっきり馬鹿丸だし大音響指示です。インターネット放送しておきます。(約7分、特に3分過ぎあたりからスピッツ・キャンキャン状態(笑))
オイ、警視総監、石原の大迷惑東京マラソンでもこんな具合に「マラソン参加者の皆さん7時間以上の交通規制は都民の皆さんに迷惑です。すみやかにゴールしなさい」とスピッツ・キャンキャン指示したのだろうな。そうでなければバランスが取れないぞ。(笑)
録音から騒然とした場面を想像されるかもしれませんが、500人前後のデモが反対側に道路を横断するには7分前後かかるのは当然でしょう。現場にいたので自信を持って言えます。昔の激しいジグザグデモのようなものではなく、音が賑やかでしたが行動としてはべ平連のデモにあったような本当に普通の大人しいデモでした。憲法に基づく表現行為に対してこの「ドライバーの皆さんに迷惑」連呼、けたたましい笛吹きまくりの警察の警備は一体なんですか。聞くたびに当日の情景が思い出されて怒りがこみ上げてきます。
どんなに美辞麗句を並べようが、これが安倍自民党の憲法への態度・本音、壊憲したい憲法の内実と見て間違いないでしょう。自民党は今でも「現在の憲法は権利だらけだ」とのたまっているのですから、。その憲法が改悪されたら、もっともっとひどい状況になるのは目に見えています。
※警備車の横の歩道で録音しました。すぐ近くに、背広を着た50代の男がこれまた同じく数人の背広の男と立っていました。指示をあおぐかのように来た指揮者らしい警察官の態度から見てかなり位が上の役人のようだった。
上記以外の写真をアップしておきます。
デモ通過の1時間以上前からたむろする機動隊。(歌舞伎町近く)
ダンボールのプラカード。一人一人工夫していた。割り当て動員の労組なら見られない光景。
仰々しい数の機動隊。まったく税金の無駄。とむ丸の夢さんの「頑張れ、ニート、フリーター、おばさんも応援するぞ」の警察官の姿が全然ないフランスのデモ風景と比べてください。
以下、当日の呼びかけを資料として採取しておきます。
自由と生存のメーデー07──プレカリアートの反攻
──生きることはよい。生存を貶めるな!
──低賃金・長時間労働を撤廃しろ。まともに暮らせる賃金と保障を!
──社会的排除と選別を許すな。やられたままで黙ってはいないぞ!
──殺すことはない。戦争の廃絶を!
──メーデーを抗議と連帯と反攻の日に!
「格差」と「貧困」が社会的な課題としてにわかに取りざたされている。しかし雇用の流動化はさらに進められ、生きるための基盤はますます不安定なものへと置き換えられるばかりだ。政府は問題を「機会の不足」へと矮小化し、格差と貧困の責任を私たちの就業能力、起業能力の欠如に還元しようとしている。その帰結は、生存を「自立」競争の勝利者への褒賞に変えることに他ならない。
しかし、彼らが言うように未来なく不安定なこの生を自分のせいにされ、頭と体と感情をすり減らすことはない。働かない・働けないことへの侮蔑と嘲笑と同情におびえる日々を終わらせるための反攻はすでに始まっているからだ。労働を道徳と結びつけ、勝ち誇って人に生きる資格を問う者たちに、差別と排除で人々を切り分け敵対させる者たちに、私たちは全身で反対する。「ただ生きること」を肯定する私たちは、この社会にもたらされている「戦争」を拒絶し、侮蔑と不正に連帯で応じる。この自由と生存の日に!プレカリアートの反攻の日に!
2007年3月23日 「自由と生存のメーデー 07」実行委員会
〈運営上の確認〉 政治的立場の違いを暴力によって「解決」することを実践し、その行為と思想を正当化し続ける人びとの参加はおことわりします。
メーデー:フリーターの若者たちが「自由と生存」求めデモ【毎日新聞】
「非正規(雇用)を使い捨てにするな」「交通費を出せ」−−。低賃金アルバイトで暮らすフリーターの若者たちや日雇い・派遣労働者らの集会「自由と生存のメーデー」が30日、東京都新宿区で開かれ、JR新宿、新大久保駅前など約4キロをデモ行進した。
このメーデーは04年、「フリーター全般労組」が数十人規模で開催。正社員をリストラして派遣やパートなど非正規雇用で補う企業の流れの中、参加者は年々増加。今年は野宿者や障害者らも加わって過去最多の300人が参加した。
集会に参加した社民党の福島瑞穂党首は「これだけ多くの若者が参加するのは頼もしいが、それだけ彼らの生活はぎりぎりで、切実なんです」と訴えた。有給休暇分の未払い賃金約20万円を巡って請負会社と争っているという練馬区の契約社員の男性(28)は「声を上げて訴えなければ、この社会は悪くなる一方だ」と切実に話した。【市川明代】
毎日新聞 2007年4月30日 21時47分 (最終更新時間 4月30日 23時48分)
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