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09.11.15

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全国民必読の副島氏新著『ドル亡き後の世界』


鳩山内閣  政権交代

『神州の泉』主宰者の高橋博彦氏が昨日11月6日付記事

「副島隆彦氏の新刊「ドル亡き後の世界」を読んで!」

に、副島隆彦氏の新刊

『ドル亡き後の世界』(祥伝社)

 

 

Book ドル亡き後の世界

著者:副島 隆彦
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

を紹介された。

 素晴らしい書評である。いち早く同書を紹介下さった高橋氏に深く敬意を表明したい。

副島隆彦氏は祥伝社から

2007年刊『守り抜け個人資産』
−世界は金融恐慌に雪崩込む!−

守り抜け個人資産 Book 守り抜け個人資産

著者:副島 隆彦
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2008年刊『今こそ金を買う』
−世界恐慌を生き抜く!−

副島隆彦の今こそ金を買う Book 副島隆彦の今こそ金を買う

著者:副島 隆彦
販売元:祥伝社
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2008年刊『恐慌前夜』
−アメリカと心中する日本経済−

恐慌前夜 Book 恐慌前夜

著者:副島 隆彦
販売元:祥伝社
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をシリーズで出版されている。本書はこれらの著書に連なる最新作である。

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 副島氏はこれ以外にも2009年に

『日米「振り込め詐欺」大恐慌』(徳間書店)

日米「振り込め詐欺」大恐慌―私たちの年金・保険は3分の1に削られる Book 日米「振り込め詐欺」大恐慌―私たちの年金・保険は3分の1に削られる

著者:副島 隆彦
販売元:徳間書店
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『売国者たちの末路』(私との共著、祥伝社)

売国者たちの末路 Book 売国者たちの末路

著者:副島 隆彦,植草 一秀
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

を発表されている。

 副島氏の超人的な執筆活動に驚愕するとともに、副島氏の恐るべき慧眼に深い敬意を表明させていただきたい。

 何よりも特筆されるべきは、副島氏の現実世界を見抜く洞察力が突出しており、いかなる人間の追随をまったく許さないことである。

 私も経済金融研究、金融マーケット分析に関わってきた一人として、現実を予測することの困難さとリスクを知っている。1年から5年単位での未来を洞察し、他者に対して指し示すことは至難の業である。

 誰も達成することのできなかったその偉業を副島氏は、現実の軌跡によって実現することを証明されている。

 同時に副島氏の著者が放つ輝きは、副島氏の真実と正義を愛する妥協のない信念と哲学に裏打ちされている点に源がある。この高い心境が一連の著書を一般の経済金融分析書から隔絶した高みに押し上げる原動力になっている。

 2007年から2009年にかけて米国を震源地として暴発したサブプライム金融危機をもっとも的確に分析し、もっとも正確に予測し続けてこられたのが副島隆彦氏である。

 米国を中心に主要国は金融危機発生に対応し、緊急避難の大型経済対策と金融機関の資本不足への対応策を全面的に展開した。

 日本でも麻生太郎前首相が「100年に1度の金融危機」を印篭(いんろう)のごとくにかざして巨大な財政政策を発動した。

 その結果として、米国は150兆円規模、日本は50兆円規模の単年度財政赤字が表面化している。この巨大な財政赤字は当面持続せざるを得ない。

 副島氏は新著『ドル亡き後の世界』に、改めて今回の金融危機の本質を詳述されている。6京円にまで膨張したデリバティブ金融商品。副島氏は「金融時限爆弾」が破裂する宿命を背負っている宿命を明晰に示される。

 世界の金融市場は政策当局の短期応急処置によって本年3月以降に小康状態を取り戻した。この小康状態を事態改善の第一段階と見るか。それとも、長期大崩壊のトレンドのなかでのあや戻しと見るか。この点が決定的に重要である。

 副島氏はこの点について明確な見通しを指し示す。生半可な分析では不可能な中期予測を精密な分析と深い洞察力に基づいて示されるのだ。

 米国経済の最大のアキレス腱は、米国が巨額の経常収支赤字を継続している点にある。米国の金融政策当局であるFRBは日本と同様のゼロ金利政策、量的金融緩和政策に踏み出している。FRBの資産健全性の大原則を踏みにじり、FRBのバランスシートは急激に大膨張した。

 いずれ、ドルの信認が根底から揺らぐことになるのは確実だろう。この点を副島氏はまったくぶれることなく、洞察し続けてきた。副島氏が予測をことごとくピタリと的中させる金字塔を樹立されてきた背景には、深い洞察力とその洞察力を裏付ける正確な国際政治経済金融情報を集積し得る「情報力」=インテリジェンスが存在するのだ。

 日本政府は2002年10月から2004年3月までの1年半に外貨準備を47兆円も膨張させた。外貨準備高は100兆円に到達している。しかし、この100兆円はそのまま巨大な為替リスクに晒(さら)されているのである。

 本ブログでは、日本の外貨準備の巨大リスクについて繰り返し警告を発し続けてきた。100兆円の外貨準備、政府保有米ドル建て米国国債を、為替損失を実現しないように日本政府は売却するべきなのである。日本政府が100兆円のドル建て米国国債を保有したままドル暴落を放置することは、日本が米国に100兆円を贈与することにほかならない。

 橋本龍太郎元首相が米国国債売却を示唆する発言を示し、米国の激しい攻撃に直面した。中川昭一元財務相も米国に隷従する形での資金供給にNOのスタンスを提示した。副島氏は私との共著『売国者たちの末路』においても指摘されたが、中川元財務相のイタリアG7での失脚事件、先般の逝去について、重大な疑問を提示されている。

 『月刊テーミス』2009年11月号は巻頭の特別レポートに、

「中川昭一元財務金融相「変死」にちらつく米国の影」

と題する興味深い論考を掲載している。

 副島氏の新著『ドル亡き後の世界』は、現代国際政治経済金融に関心を有するすべての国民必読の書である。マスメディアが一切報道、解説しない重大な事実が読者に分かり易く丁寧に解説されている。

 副島氏の予測通りに金価格は上昇の一途を辿ってきた。副島氏の洞察力の質の超然とした高さは、歴史の現実が確実に証明しているのである。2009年の年末を飾るにふさわしい素晴らしい著書が出版された。一人でも多くの国民にこの新著を読んでいただきたいと思う。

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売国者たちの末路 Book 売国者たちの末路

著者:副島 隆彦,植草 一秀
販売元:祥伝社
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知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
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2009年11月 6日 (金)

企業団体献金全面禁止後の政治資金のあり方

昨日の本ブログに、

「新政権を叩くのでなく厳しく見守る姿勢が肝要」

と題する記事を執筆したのは、『カナダde日本語』の美爾依さんの11月5日付記事

「小沢幹事長が「企業団体献金禁止」を率先して実施したにもかかわらず・・・・」

を読ませていただき、一部の共産党支持者の言動に素朴な疑問を感じたからだった。

 美爾依さんは、11月6日付記事

「共産党はきれいごとばかり」

に、その続編と言える記述を示されている。とても説得力のある主張を展開されている。

 私たちが根本的に認識しなければならないことは、政治の主役、この国の主権者がこの国に住む市民であるという基本である。政治家も政党も、主権者である市民の意向を代表して行動しているにすぎない。政党や政治家が主権者である市民の意向とかけ離れて、政治をもてあそぶことは慎まなければならない。

 政権交代が実現したことについて、その解釈はさまざまに存在するだろう。民主党を軸とする現与党による政権樹立を快く思わない人々は、政権交代は民主党を軸とする新政権の樹立を国民が求めた結果ではないとする。国民は単に自民党政権にお灸をすえただけであって、民主党政権を希望したのではないとするのだ。

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 これに対して、政権交代に大きな意義を認める見解も存在する。55年体制構築以来の「自民党支配政治」、明治憲法発布あるいは明治維新成立以来120年、140年にわたり継続した「官権政治」に終止符を打つことが政権交代の意義であると考える。

 私は「官権から民権」、「大資本と政治権力の癒着排除」、「対米隷属外交からの脱却」が政権交代実現後の三大課題であると考える。多くの市民が政権交代に日本政治刷新の期待を寄せている。日本政治を根本から変革しようという市民の意志が政権交代の原動力であったのだと私は思う。

 この主権者の意志を実現することが重要なのであって、政党や政治家が主権者である市民、国民の意志と離れて行動するなら、そのような政党や政治家は基盤を失うだけである。

 政治権力と大資本の癒着を排除する上で、企業団体献金の全面禁止は最重要の施策である。民主党は小沢一郎前代表の秘書に関連する政治資金規正法違反容疑問題を契機に、企業団体献金全面禁止の方針を明示した。画期的な提案が示されたのである。民主党は総選挙においても企業団体献金全面禁止を政権公約として明示した。

 主権者である国民は民主党の政権公約を国民との約束として認識している。衆議院の任期4年中にこの公約が確実に実行されることを信用している。民主党がこの最重要の政権公約を実現しないなら、国民から厳しい批判を受け、その代償を払わされることになるだろう。それだけの意味を持つ政権公約である。

 だが、一方で政治活動にお金がかかることも否定できない現実である。総選挙に立候補して当選を果たすには、一定の資金が必要になる。すべての有権者に対して政治活動の門戸を開くためには、誰でも政治活動を実行できるための資金的な環境を整えることが求められる。

 政党を中心に政治活動が展開されている現実を踏まえれば、政党が正当に活動資金を確保できる環境を整える必要がある。個人献金を活用することもひとつの方策であるが、個人の資金力には大きな個人差がある。政党活動が個人献金にのみ依拠するようになれば、大きな資金力を有する個人に支持される政党が有利な環境を得ることになりかねない。

 この点を踏まえれば、政党の政治活動に要する資金を国民が国費として負担することには、大きな合理性があると判断できる。現在、政党交付金が政党活動の最重要の資金源となっている政党が多く存在するが、政党交付金をさらに拡充することも検討に値すると考えられる。

 共産党は政党交付金を受領していないが、その分、共産党の支持者がその意志に反して重い負担を強いられているという現実も存在するのではないか。

 企業団体献金を全面禁止したあとの政治活動を支える資金のあり方について、建設的な論議を活発化することが求められる。政治資金を個人献金や個人資金にだけ求めることになれば、富裕な個人でなければ政治活動に従事できないとの新しい歪みが生まれることも十分に予想される。

 鳩山政権には企業団体献金を全面禁止する法整備を早期に実現することを強く要望する。同時に、企業団体献金全面禁止後の政治資金確保のあり方についても、明確なビジョンを示してもらいたいと思う。