株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu200.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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大企業や銀行が公的資金で救済されてきたのに、中小企業に対して、
亀井大臣の中小企業へのモラトリアムをなぜマスコミは批判するのか
2009年9月29日 火曜日
◆亀井金融大臣のモラトリアムを支持する 9月29日 原野辰三
http://www.dotcolumn.net/column/details.php?bid=151
亀井金融大臣は中小・零細企業の救済策として、借入金の返済を向こう3年間猶予する政策を打ち出している。
これに対して全国銀行協会は反発して次のように述べた。
その中で貸し出しの原資が顧客の預金であることや株主の理解を得る必要があることを挙げている。
かつてバブル崩壊後、金融業界は軒並み破綻状態に陥った。
その際、銀行救済のために政府は12兆円の巨額の資金を投入した。いわゆる公的資金だ。
公的資金と言う曖昧模糊とした表現を使っている。
国民を言葉のマジックで誤魔化しているが、我々が支払った税金を注ぎ込んで銀行を救済したのである。
銀行は、バブルに火をつけ、バブルに乗りまくり、我々の預金を湯水の如く、投機に注ぎ込み、挙句の果ては、バブルがはじけ、経営を破綻させた。
銀行自らが無茶苦茶やった尻拭いを、我々国民にさせ、税金を食って立ち直ったのだ。
それだけではない。不良債権処理のために、預金利息を0ないし低金利を長年つづけてきたのだ。国民の損失は計り知れない。
ここで「ゼロ金利で得したのは誰か」という記事があったので紹介しておきたい。
第三に、ゼロ金利は巨額の預金者から銀行への所得移転だったということだ。バブル崩壊によって生じた富の損失は1200兆円といわれるが、そのうち600兆円は投資家が売り逃げた。残りの600兆円がネットの損失だが、これを誰かが負担しないかぎり、危機は終わらない。三菱総研の試算によれば、1992年から2005年までの家計の利子所得の機会損失は283兆円にのぼる一方、企業の利子負担は264兆円減少した。
つまり日本の金融危機が終わった原因は単純だ。ゼロ金利によってあなたの預金金利が銀行に移転され、その追い貸しによってゾンビ企業が息を吹き返して、バブルによる損失の穴埋めが行なわれたのである。本来はバブル崩壊の直後に企業の破綻処理によって株主が負担すべきだった損失を、15年かけて預金者が負担することで、日本経済は表面的には回復したのだ。それを「ゼロ金利で日本経済は回復した」などと喜んでいる人々は、つくづくお人好しである。池田信夫のblogより アンダーラインと赤字は筆者:原野
そのようにして救済してもらった銀行は、今、国民から集めた預金をどこにどのように融通しているのか、といえばサラ金屋に巨額を融資している。
一方で、汗水たらして働きづめに働いて苦しんでいる中小・零細企業には貸し渋り、貸しはがし。
これでも銀行は公器として社会的役割を果たしていると言えるのか。
亀井大臣が「銀行も反省してもらわないいかん」というのは、ご尤もな話だ。
ところで、日本の製品の優秀性は世界が認めている。トヨタ・パナソニックなどの日本の大企業は世界に進出して華々しい。
しかし、高品質を陰で支えているのは、実は中小・零細企業の町工場である。
中小・零細の工場で働いている人々の精緻かつ高度な職人技によって、大企業は優秀な製品を作ることが出来ているのだ。
また、国民の7割が中小・零細企業で働いている。
いわば、日本経済・国民経済は、その7割が支えているのである。
自民党は大企業中心の政治をやってきた。そして中小・零細企業や国民のことは無視に近い政策をやってきたである。だから負けたのだ。
ところで、亀井大臣は、苦しんでいる中小・零細企業の救済に乗り出そうとしている。
借金の返済猶予策だ。
私はメガバンク出身者で財務はプロだと自認している。現在も経営コンサルタントとして活動しているので、中小・零細企業の実態はよく理解している。
そして最も効果的な経営支援策は何かについても分かっている。
だから亀井大臣の言っていることは良く分かる。
亀井大臣が「黒字倒産」という意味はこうだ。
損益計算書では「当期純利益」が出ているのに、つまり利益をだしているのに、倒産してしまうことだ。
案外、黒字倒産が多いのだ。むしろ赤字倒産よりは多いのだ。
何故か。つまり、借入金(負債)の返済は「当期純利益」(黒字額)から支払うのだ。
それ以外に返済財源はない。
今、仮に100万円の利益が出たとしよう。ところが借金の返済が150万円だったら、50万円足りなくなる。
これを「勘定合って銭(ぜに)足らず」といい、そうして倒産することを「黒字倒産」というのである。
「勘定合って銭足らず」はキャッシュフローの計算をすれば、一目瞭然だ。
現在、私は中小・零細企業から「融資」の相談を絶えず受けている。その時に、私が必ずいうことは、資金繰りの為に「融資を受ける」ことより、まず「出血を止めなさい」と言っている。
つまり、借金の返済を繰り延べて貰いなさい、と指導している。
仮に融資を受けても、それは借金払いに消えてしまうからだ。
これが中小・零細企業の実態なのだ。
ところが銀行はそれには応じない。
だから亀井大臣がそれをやる、と意気込んでいるのだ。
マスコミは亀井大臣の発言を「徳政令」などと批判しているが、仮に徳政令であろうと、何と言われようと亀井大臣の政策は間違ってはいない。
また、徳政令という言葉が悪い印象を与えるのは、政府また国家の借金(国債など)を棒引きする場合につかわれたからだ。
亀井大臣がいうモラトリアム※は「国家が国債(国の借金)をちゃらにする」というものではなく、銀行に対して中小・零細企業への貸付金の返済を待ってやれ、というもので、徳政令という批判はあたらない。
徳政令などといきまいているのが、マスコミゴロの田原総一郎だ。
こんな悪人を使ってワーワー言わせている朝日テレビの“朝生”や“サンプロ”など、何の価値もない番組だ。
頑張れ!亀井。
◆モラトリアムの話 9月28日 経済コラムマガジン
http://www.adpweb.com/eco/
Aさん達はこれまでのように実情を説明した。すると亀井氏は即座に「それは金融庁の検査マニュアルとその運用が問題なのだ」と指摘した。亀井さんは完全に問題の核心を理解していたのである。Aさん達は半年の間、数多くの政治家に会ってきたが、初めて思いが通じたのである。
金融庁の検査マニュアルは、土地投機に走った、いわゆるバブル紳士の企業を念頭に作った。それを店鋪を自社ビルに立替えた個人営業企業にも適用しようとするから問題になったのである。全く返すあてもない不動産投機会社と、地道な商売をやっている人々への債権を同等に扱っていたのである。
最後に亀井静香氏がAさん達に「よし分かった!」と言ってお開きになった。これでAさん達の半年に渡る政治家巡りも終わった。後に金融庁の検査マニュアルの運用が改善されたと聞く。ただこれに亀井さんがどれだけ関与したかは不明である。
またAさん達の中には、リスケだけでは十分ではなく、数年の返済猶予(モラトリアム)を強く希望する人が多かった。景気も悪く商売も最悪の頃であり、銀行借入金の返済額の減額だけでは間に合わないのである。おそらく亀井氏との面談の中でモラトリアムの話も出たはずである。ただAさん達もこれが難しいことは分っていた。今回、亀井さんが「モラトリアム」と言い出したことを、単なる「思いつき」という風なマスコミの解説がある。しかし少なくともAさん達と会った6年以上前から、亀井さんは「モラトリアム」を真剣に考えていた可能性が強い。
(私のコメント)
私は十数年間銀行勤めをしていましたから、銀行の融資部や客の中小企業の雰囲気は体験上よく分かります。銀行の支店に大蔵検査が入る時など支店長などは朝からそわそわしてナーバスになっていた。それくらい銀行は監督官庁に神経質であり、日銀や大蔵省の指導は絶対的なものだった。ばぶるんいしても日銀の窓口指導のせいではないかと思います。
例えば富士銀行のようなところは中小企業や個人などは相手にしていなかったのですが、ある時から融資先を賢明になって探し始めた。たぶん監督官庁から融資を拡大しろと指導されたのだろう。それがバブルの大きな原因となった。まさに当時は護送船団そのものであり、景品で配るものまで指導の対象だった。
そして、2001年の自民党の総裁選挙で亀井氏は小泉氏に敗れて、亀井氏は小泉総理に自民党から追い出されて、そして竹中氏が金融担当大臣になった。この頃から竹中金融大臣の不良債権の厳格査定が行なわれて、銀行の条件変更の申し出をしようとすれば不良債権に分類されるので、借りては返済が厳しくても条件変更など出来なくなってしまった。
銀行にとっては、不良債権になるよりも条件変更に応じて返済してもらった方がいいから、条件変更は以前はよく行なわれていた。しかし竹中ポルポト金融大臣は不良債権の厳格査定という事で銀行を追い込んでいった。それが最近までの金融行政として続いてきた。小泉竹中内閣はカンボジアのポルポト政権なのであり、日本の銀行や企業を潰して外資に売りさばく事が目的の内閣だった。
◆竹中平蔵は「平成のポルポト」だ --- 「不良債権処理強行」の即時中止こそが王道だ 2004年2月16日 株式日記
http://www.asyura.com/0401/hasan33/msg/560.html
(私のコメント)
よく「失われた十年」と言われますが、97年ごろまでは金融機関もまだ機能しており、単なる大型不況と見られていた。銀行が抱える不良債権は今までにない巨額なものでしたが、信用創造機能は失われてはいなかった。ところが1997年を境に銀行は株式などの資産を処分し始め、株価はさらに暴落を続け、大型の銀行倒産が現実化していった。
橋本内閣のビックバン政策がこれまでの護送船団方式から、弱肉強食政策に変わったからだ。なのに不良債権の額と銀行の貸出額とには関連性がないにもかかわらず、不良債権処理が強行されるようになったのだろうか。それは不良債権が銀行経営の癌であるとして、不良債権処理を最優先とする政策が決定されたからだ。
私はリチャード・クー氏の主張するように、不良債権は時間をかけて解消させていく方針を支持してきました。もしどうしても早期に不良債権を解消させるのなら、不良債権を公的資金で買い取る方法を提案してきた。しかしこれらの方法は構造改革推進論者により葬り去られ、金融庁による銀行が持つ不良債権の厳格査定により、日本の銀行は次々と潰され外資に売られていった。
竹中金融大臣はまだ日本の銀行を潰し足りず、メガバンクの処分を考えているようだ。そのモデルともいえるのが韓国であり、一連の構造改革支持論者も韓国を見習えといっている。そういえば自衛隊のイラク派遣と言い、韓国の3000人の軍隊派遣と言い、最近は驚くほど韓国と日本の政治構造が似てきている。二つの国を背後で操っているのが同じアメリカだからだ。国会における竹中大臣の答弁はそれを裏づけしているが、以下の通りです。
最近の経済政策に関しては私と共産党とは驚くほどよく似ている。韓国では大銀行9行のうち7行が国有化され、その内の6行が外資に売却されました。小泉・竹中内閣が企んでいるには日本の韓国化であり、ブッシュ政権を後ろ盾にしたアメリカの植民地化の推進である。最近はドルの買い支えをして1年で20兆円もの円をアメリカに献上した。
しかしこのような政策はアメリカにとっても良い戦略と言えるだろうか。アメリカがこのように露骨な経済侵略を行った場合、日本の反米感情は韓国のように激しくなり、ノ・ムヒョン大統領のような反米政権を生み出すだろう。私はその意味で警告しているのですが、小泉・竹中内閣は不良債権処理を強行しようとしている。
アメリカもハバード委員長をクビにして小泉・竹中内閣に「あまりやりすぎるな」と警告しているのですが、小泉首相はそれに気がつかないようだ。もっともブッシュ大統領自身が再選に覚束なくなり小泉内閣を道連れにして失脚するのでしょう。
(私のコメント)
2004年の株式日記を紹介しましたが、この後に亀井氏は郵政選挙で自民党を追い出されて、ホリエモンが刺客として選挙に立った。リチャード・クー氏も竹中大臣にテレビから追放されて画面から消えた。その頃から思うと、まさに現在は隔世の感があり、亀井氏は金融郵政担当大臣となり、リチャード・クー氏も先週のサンプロに出るようになりました。
田原総一郎も竹中平蔵に合わせて「ゾンビ企業は潰せ」と毎週のように言っていた。小泉総理も青木建設が潰れて「構造改革が進んでいる」と平気で言っていた。一国の総理が企業が潰れて喜ぶような異常な首相に支配されていた。韓国は主要銀行が潰れて外資に売却され主要企業は外資の傘下になった。その事が左翼政権のノムヒョン政権誕生のきっかけとなった。
日本もこの時の反動が来て民主党政権が出来たのであり、小泉・竹中が自民党野党転落の犯人なのだ。もし小泉首相の代わりに亀井氏が首相だったのならば自民党は野党に転落する事もなかっただろう。今も変わらないのはマスコミであり、亀井大臣のモラトリアム発言に対して一斉攻撃を続けている。マスコミは未だに小泉竹中政治を引きずっているのだ。鳩山政権ではそれを変えようとしているのだ。