言葉は悪いが、たかが「女の尻を触った、触らない」で、3ヶ月近く拘留すること自
体が異常である。そして、やっと保釈されるのかと思いきや検察はまたも抗告して
拘留を続ける。
拘留は被疑者が逃亡したり、証拠を隠滅したりする恐れがあるときに、被疑者の
身柄を拘束することで逃亡や証拠隠滅の危険を避けるため行われるものです。
植草氏の場合、逃亡の恐れもない。事件の根拠は女の子の訴えしかない、証拠
がないのだから、証拠隠滅の恐れもあろうはずがない。長期拘留の理由がない、権
力の乱用である。法の番人たちが、迷惑行為以上に罪の重い不法な監禁行為をす
るだから滑稽としか言いようがない。
それでも、検察が拘留にこだわるとすれば、彼の保釈が検察にとって不都合な何
かがあるはずだ。
理由をあげるとすれば、ひとつだけだ。事件当日、彼が酩酊するほど彼に酒を飲ま
したグループ(男、または女、あるいは店ぐるみ)が世間に暴露されることだろう。
それ以外に考えられない。神州の泉氏の言うように万一ハルシオンを飲ましたとす
れば、このグループ以外に考えられない。
被害者とされる女の子に対する疑惑もある。夜の10時過ぎの電車内ならば、朝
のラッシュアワーのような身動きの取れないほどの満員電車ではないだろう。普通
の女の子なら酒臭い男のそばから離れるはずだ。ましてや、その酒臭い男が万一
にも変なそぶりをしたら、その場から離れないことのほうがおかしい。
マスコミは北朝鮮拉致被害者には、熱い同情を示し、北朝鮮の人権侵害を大々的に非難する。
足元の日本政府の権力乱用による人権侵害には目を向けない。
実は東京新聞HPの「政治ホットライン」のご意見募集コーナーへ、今回の植草事件発生して
間もない9月下旬に、事件に関連して下記メールを送った。
このメールと直接関係はないとは思うが、保釈問題のニュースが流れた昨日の同紙夕刊には、
周防監督の『それでも ボクは やってない』という車内痴漢の冤罪を扱った映画に350組700
名様ご招待キャンペーン広告をだしていた。
少々長文ですが、以下引用:
東京新聞の購読者です。安倍新政権誕生、小泉政権も終焉を迎えました。
小泉政権終焉を意識したためか、貴紙は9月24日には、”時代を読む”というコラムで、加藤寛
氏の「竹中辞任に思う」を掲載しました。そのなかで、加藤氏は竹中氏をべたべたにほめてい
ます。加藤氏は常に、一貫して竹中氏の経済政策をバックアップした方です。
昨日(9月26日)からは、竹中氏本人を登場させて「小泉改革と歩んで」という竹中氏の懐古?
記事を掲載、その頭には、”金融再生「方向に絶対の自信」となっています。これらの記事を読む
一般読者は、小泉政権の虚構のプラス面のみに幻惑されてしまいます。プラス面を掲載するなら、
小泉-竹中政策の大いなる「負の側面」にも目を向けるべきではないでしょうか。
先日、経済学者植草氏が、痴漢事件で残念ながら、逮捕されてしまいましたが、彼は小泉政権
成立当初より、小泉ー竹中の経済政策に常に批判的な方でした。彼の最近書いた評論、「失われ
た5年ー小泉政権・負の総決算(4)」:
http://web.chokugen.jp/uekusa/2006/06/10_47b9.html
書いていることは、小泉ー竹中の路線にとって極めて辛らつな内容ですが、正鵠を射ています。
例えば「りそな銀行」問題について、竹中氏とは真っ向から対立する内容です。竹中氏は、上記植
草氏の評論文を読んで反論を書いたのではないかと思うくらいです。
貴紙には、痴漢事件を乗り越えてこの植草評論文を掲載する勇気はありませんか。
読売、朝日、毎日、日経、産経の諸新聞にくらべれば、貴紙は政権に対して比較的中庸(政権に
対して)を保っているようにみえます。竹中氏の主張を掲載するなら、一方の批判文も掲載すべきだ
と思いますが如何ですか。
最近大手新聞の購読が減少しつつあるなかで、貴新聞は購読者を増やしているやに聞いており
ます。それはとりもなおさず、貴社の政権に対する批判姿勢(まだ充分とは言えませんが)読者に
受け入れられているからではないでしょうか。
蛇足ですが、参考までに「植草氏痴漢事件」に触れておきます。植草事件は、彼が痴漢行為を
やったという一方的な報道がまかり通っています。
痴漢行為というのは、物的証拠がない、逆に言えば被害者の主張にそって犯罪が成立する。被
害者役と捕まえた側が役割分担すれば確実に犯罪化できる。そのために、冤罪も多い。なかには、
慰謝料稼ぎのために痴漢事件をでっちあげる女もいるという。今回の事件は、満員電車の中で起き
たわけではない、「やめてください」と叫ぶ前に加害者?のそばから、とりあえず離れることが何故
できなかったのか。
メディアの報道は、警察の一方的な発表にもとづくものであって、被害者から直接取材もしてい
ない、捕らえたとされる二人の取材もなし。もちろん、植草氏の言い分もない。メディアの報道(特に
TV)によって今回の事件は「やっぱりな、さもありなん、植草の性癖はなおっていない」と世間の人
に印象づけるに決定的な出来事でした。
私は、痴漢事件そのものに関心があるわけではありません。前回事件が、あまりにも疑惑だらけ
であったがために、今回事件も何か背後関係があるのではないかという疑念が晴れないのです。
前回事件は、彼が、横浜市内の講演を終了して、横浜駅構内に入った時点ですでに二人の警官
が彼を尾行していた。殺人事件やその他の重要犯罪事件の捜査じゃあるまいし、何故彼を執拗に
尾行する必要があったのか・・・これが最大の謎であり疑問です。
事件現場となった品川駅構内のエスカレータを、植草氏の背後から尾行していた警官が、彼の
後ろを密着していたわけでもないのに彼の前面の行動を、何故見ることができたのか。警官は透
視ができる超能力者?・・・第二の疑問です。
植草氏側は、現場付近に設置してあった防犯カメラの提示を求めたが、警察は提示しなかった・・
・・第三の疑問です。植草氏の手鏡行動をみたという第三者(並列する下り側エスカレーターから
よく見える)も出現せず、客観的な証拠はまったくなし。
判決は、植草氏の主張は認めず、警官のあいまいな主張をのみを入れて、「疑わしきは罰せず」
という裁判の鉄則を無視して、「推定有罪」という疑惑判決をくだした。
警察ー検察ー裁判官がグルでなければ成立し得ない事件だった。
これで早稲田大学大学院教授の職を失い、人格まで失墜、家族の痛手ではいかばかりかと思う。
今回事件で、彼はさらに追い討ちをかける決定的なダメージをこうむることでしょう。こんな世の中に
誰がしたのでしょうか。