「民営化の賛否を問う総選挙」などではない
at 2005 08/09 17:53 編集
■ 総選挙の争点
8日の参議院本会議で、郵政民営化関連法案の否決に対し、小泉首相は、衆議院解散を強行しました。 自民党執行部は、この解散を「郵政解散」と呼び、「総選挙の争点は郵政民営化であり、この賛否を国民に問う選挙だ」と言っています。 確かに郵政問題をきっかけとして解散を行なったのですから、「郵政解散」かもしれません。 しかし、この9月に行なわれる総選挙の争点は本当に「郵政」なのでしょうか。
郵政民営化については、47都道府県議会すべて、そして、9割を超える市区町村議会が、「反対」または「慎重に検討を」という内容の意見書や決議を採択し、政府に突きつけています。 国民や地方自治体は、郵政民営化など望んでいないことは明らかです。
■ 「郵政」の裏に潜むもの
私は、昨夏の参院選のときも書きましたが、争点はやはり「憲法」だと思っています。 自民党は今年11月、民主党は来年、憲法改定案を示すと言っています。 両党の主張は、「軍隊を持つ」「いつでもどこでも海外に軍隊を送れるようにする」という点で一致しています。 私は以前より、両党の案が出揃った辺りから議論が活発化し、2007年頃が「山場」になるのではないかと見ていました。 昨日までの衆議院議員の任期は2007年11月まででしたから、自民・公明・民主による安易「談合」などは、選挙を控えている都合から、少しは慎重にならざるを得ないと思っていました。
しかし、今回の解散によって、9月の総選挙で選ばれた議員の任期は、2009年9月までとなります。 2007年にあるのは、半分だけ改選を行なう参院選だけとなり、自民・民主と、公明の「改憲3党」が何を行なっても、国民の批判の影響があるのは「参議院の半分だけ」となってしまうのです。
現在、自公民を合わせれば、衆議院・参議院とも9割以上の議席を占めています。 戦時中の「翼賛選挙」で「大政翼賛会」議員の占めた議席の割合が81・8%ですから、それをはるかに上回る「危機的な状況」にあります。 「戦争は嫌だけど仕事の都合で自民に」「平和は大事だけど何となく民主に」などと言っている場合ではないと思います。
■ 今しかない
「軍隊を持つ」「いつでもどこでも海外に軍隊を送れるようにする」つまり日本を「戦争する国」にしようとする政治家に「NO!」を突きつけるのは、事実上、今回の総選挙がラストチャンスだと私は思います。 国民投票のときが本当の最後ですが、自公民3党が「否決されにくいシステム」を作ろうとするのは、明らかです。 つまり、今しかないのです。
■ 憲法を擁護する人を
私の祖父は長崎の原爆で亡くなりました。 今日8月9日は、祖父の60回目の命日にあたります。 もう二度と祖父のような戦争による犠牲者を出さないために、また私達が継承してきた平和と民主主義を子どもたちに残していくために、日本国憲法を擁護する候補者・政党の応援に力を注ぎたいと思います。
私は、今回は「日本の人々の命がかかった選挙」だと位置付けています。
|