(回答先: 「記者クラブ談合」の一角は崩れた (田中龍作ジャーナル) 投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 10 月 01 日 13:31:48)
中央官庁での記者会見がフリーランスの記者に解放されつつあるようだ。これはこれで確かに情報公開の確かな改善だと言えると思う。
しかし、現代のマスコミ問題で多分最も大きいのは、警察の記者会見なのだ。各県警や警視庁の記者会見も記者クラブ加盟社に限定されていて、フリーランスの記者や雑誌記者は会見場に入ることができないし、もちろん質問もできない。
そして、現代におけるもっとも強力な権力組織は警察なのだから、その警察に対する報道がきちんと一般の記者にも開放されていないと、権力の暴走をチェックできなくなる。
外務省や金融庁の記者会見が一般記者に開放されたことは第一歩であり、開かれた官庁というにはまだ道は遠い。
(回答先: 記者会見開放の効果、フリー記者がスクープ(田中龍作ジャーナル) 投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 10 月 01 日 13:28:52)
http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/129136395.html
「記者クラブ談合」の一角は崩れた
2009年09月29日
岡田外相・定例記者会見にインターネットメディアが出席した(29日、外務省会見室で。撮影=塩田涼)
小沢、鳩山の歴代代表の公約を反古にして官邸記者会見からインターネットメディアなどを締め出した民主党にも良心が残っていた。民主党幹事長時に党本部の記者会見をオープンにしてきた岡田克也外相は、9月29日から外務省の大臣記者会見を記者クラブ加盟社以外のジャーナリストにも開放した。
外務大臣記者会見開放をめぐる経緯はこうだ――。
岡田氏は外相に就任すると間もなく(18日付)、記者会見を記者クラブ加盟社以外にも開放すると発表した。この方針に待ったをかけたのが記者クラブだ。理由を示してほしいと岡田大臣側が記者クラブに申し入れていたが、今日に至るも記者クラブ側から明確な見解は示されなかった。
これを受けて岡田大臣は29日の定例記者会見で「(記者クラブのみ記者会見に出席できる)従来のやり方を続けると、それ以外の記者と国民の知る権利を奪うことになるので、本日から開放に踏み切ることにした」と“宣言”した。
記者会見に臨んでいた筆者は、岡田大臣はごく常識的なことを言っているもので、記者クラブなる組織がそれに異論を唱えることの方が不可解でならなかった。
記者会見は定刻を15分ほど過ぎ午後5時45分から始まった。クラブ加盟社以外で出席したのは「JanJan」「ニコニコ動画」「ビデオニュースドットコム」、フリージャーナリストの上杉隆氏など10数名(カメラマン含む)。
記者クラブ加盟社以外のジャーナリストも質問できる。形式ばかりの開放ではなかった。クラブ加盟社の記者諸氏がホゾを噛んで悔しがっているのが手に取るようにわかった。
インターネットメディアやフリー記者からの質問は次のような内容だった――。
「記者会見は記者クラブ主催なのか、それとも岡田大臣の主催なのか?」「記者クラブ主催ということであれば記者クラブという任意団体がどうして国民の財産である外務省の施設を使えるのか、その法的根拠は?」(フリージャーナリスト上杉隆氏)
岡田大臣は記者会見の進行を務める、三上正裕報道課長に「どうなっているのか」尋ねた。三上報道課長は「霞クラブ(外務省記者クラブ)と話し合って進めているが、記者会見は基本的には外務省の主催」と答えた。
「記者クラブの部屋は賃貸契約なのか?」(フリージャーナリスト畠山理仁氏)
これには岡田大臣も返答に窮したようだった。
記者クラブが公共施設に居候し、電気や水道まで無料で使っていることに関しては、住民が県庁などの行政を相手取って訴訟を起こしたりしている。行政施設の建設費や光熱費は税金で賄われている。納税者として訴訟を起こすのは理にかなうものだ。
フリージャーナリストの質問は世間の常識と照らし合わせれば極当たり前のことだ。にもかかわらず記者クラブの記者たちは「変なもの」でも見るような目つきでフリージャーナリストを見た。
政府の記者会見をめぐっては、情報公開の観点から開放する方針を掲げていた民主党側と既得権益を守りたい記者クラブ(大メディア)との間で応酬があった――。
ある民主党議員によれば、大メディアから平野博文官房長に「記者会見を開放すると内閣記者会としては協力できませんよ」と一種の脅しがあった。
平野官房長官としても発足したばかりの民主党政権のあげ足を取られたくない。鳩山総理の献金問題というウィークポイントもある。平野官房長官は「内閣記者会と全面戦争になることは今は避けたい」と本音を漏らした、という。9月16日、官邸で行われた総理記者会見にJanJanをはじめとするインターネットメディアやフリー記者が締め出しを喰ったのはこうした理由からだった。
筆者は上記のいきさつを説明したうえで「岡田大臣や大臣周辺に大メディアからの圧力はなかったのか?」と質問した。
岡田大臣は「私には圧力と感じませんでした」と含みを持たせて答えた。
政権交代で業界や官僚などの既得権益にメスが入ろうとしている。にもかかわらず、脅迫まがいの手口でそれを固守しようとしているのが、記者クラブという談合組織だ。
記者会見開始から30分近く経過すると司会役の三上報道課長(外務官僚)が「そろそろ時間ですのでここら辺で…」と締めにかかった。
だが岡田大臣は「いや、まだ時間があるから続けましょう」と報道課長を制し質疑応答を続けた。時間が長くなった分、多くのインターネットメディアやフリーの記者が質問できた。
http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/129190111.html
記者会見開放の効果、フリー記者がスクープ
インターネットメディアやフリーランスにも開放した岡田外相の記者会見(外務省会見室で。写真=筆者撮影)
岡田外相が9月29日から記者会見をクラブ加盟社以外のジャーナリストにも開放した効果が早速現れた。
「民主党スタッフと岡田幹事長(当時)の政策秘書が総選挙前に米国政府の働きかけで渡米し意見交換していた…(中略)」とする記事を朝日、毎日が30日付で伝えた。オバマ政権が日本の政権交代を見越したうえで民主党に接触していたことを示すものだ。民主党側も政権獲得後の対米外交をにらんで準備を進めていたことになる。総選挙前に新しい日米同盟は始動していたのだ。
読者はワシントン支局か外務省詰めの記者が書いたと思うはずだ。ところが、この記事は29日の記者会見に出席していたフリージャーナリストの宮崎信行氏のスクープである。
独自の情報源で上記の事実をつかんでいた宮崎氏は、記者会見で岡田大臣に「裏取り質問」したのである。朝日と毎日は記者会見で宮崎氏の質問と岡田大臣の答弁を聞き記事にしたに過ぎない。朝日と毎日は「後追い」したのである。
宮崎氏は「(自らが得た情報について)岡田大臣から確認を取りたかった」と話す。
外務省に限らず政府の記者会見は今後、開放に向かいそうだ。玉石混交のインターネットメディアは質を問われることがままある。宮崎氏のようにレベルの高い質問ができるように研鑽を積みたい。